【子育て】妻がマタニティ・ブルーズになった。コロナ禍のなかで外部サポートに救われた
どんな話
コロナ禍、里帰りせず出産。はじめての育児に妻と夫(私)の二人で挑みますが、産褥期に入り妻がダウン。外部サポートに家族を助けてもらった話です。ちなみにこの記事は妻のレビューをパスしています。
私たちの状況
- 里帰り出産をせず
- 事情があり親族に頼れない
- コロナ禍
- 両親が遠方にいるので産後も頼れない
- 夫(私)、育児休業取得6ヶ月
- 完全ミルク
同じ境遇の方へ
本題に入る前に、同じ境遇の方や昔の私たちにメッセージを。
大丈夫ですか。あなたを助けてくれるサポートは必ずあります!安心してください。
- 産院に電話して、状況を伝えましょう。何らかサポートをしてくれます。
- お住まい役所に子育てサポートをする課があるはずです。電話してみましょう。
- 産後ドゥーラという家事も育児も、心配ごとも、まるごと相談できる心強いサービスがあります。お住まいの街にドゥーラさんがいないか 調べてみてください。
産後は家庭全体が不安定になり、視野が狭くなります。助けてくれそうなサービスを事前に調べておくと良いと思います。 でも、そんな余裕がないのも分かるので、問題が起きてからでも、とにかくいろんなところに助けを求めることが大事です。
電話をかけて窓口の人に事情を説明するのは、結構消耗すると思います。ルール適用外でサポートを受けられず、憤りを感じることもあるかもしれません。なので、窓口への電話は心身に余裕がある男性がしたほうがいいです。
妻がマタニティ・ブルーズになった
マタニティブルーズとは、産褥期に見られる軽度の抑うつ症状や涙もろさを主な症状とする一過性の現象または症候群です。産後3~5日頃に症状が現れやすく、産後2週間が経過する頃には自然と改善していくのが一般的です。約3割の女性が経験するといわれています。
出典:マタニティブルーズについて | メディカルノート
妻の不調はマタニティ・ブルーズの症状そのものでした。安易にラベリングすることで妻が傷くと思い、当時はその言葉を使いませんでした(産褥期を乗り越えた今ではそういう会話もできるようになりました)。
自分自身、はじめての育児に苦戦したこと、何より妻がつらい状況だったので、産院に助けを求めることにしました。
外部サポートを受けることに
産院に助けの電話をかけ、翌日に産院ですぐ診てもらうことができました。その後、病院の中で、産院スタッフ、区の子育て支援課の方が話を聞いてくださり、外部サポートとして、「助産師による訪問看護」、「産後ドゥーラ」に来てもらうことになりました。
助産師による訪問看護
助産師に週2回1時間程度訪問してもらい、沐浴や育児アドバイス、相談に乗ってもらっています。包容力のある優しい方です。夫婦ふたりでその人の話し方を真似ることで、その人が居ない間でも落ち着いて前向きにやっていくことができました。「ウンチが一日くらい出なくても大丈夫よ〜💩」という夫婦でモノマネして会話する感じ。
産後ドゥーラ
産後ドゥーラは、産前産後の母親とくらしを支える専門家です。私たちは家事、育児サポートをメインに助けてもらいました。相談に乗ってもらったり、産褥期でボロボロな妻がアロママッサージをしてもらったり、健康的な料理をたくさん作り置きしてもらっています。 子どもの面倒を見ながら、慣れない他人の台所で短時間にいくつもの料理を作ってるのが本当にすごい です。
自分では与えられない安心感があった
自分は産褥期やマタニティブルーズを見聞きして知ってはいたのですが、 ただ知っているだけで本当の意味で理解していなかったのだ と思います。今はただただ「乗り切れてよかった...」と思っています。
子どもの世話は一週間くらいで慣れてきました。ですが、 産褥期の妻を自分一人だけでフォローするのは難しかったです。 過去に戻ったとしても十分にフォローできずにまた外部サポートに頼ると思います。出来る手立てを早く打たないと、産後うつになる可能性もあったので、早く外部サポートを受けることができて本当に良かったです。
物理的なサポートは男性でもできるのですが、精神的なサポートでは力不足を感じました。 訪問看護や産後ドゥーラを利用してみて、一番ありがたかったのは「産褥期で心身ボロボロな妻に対して、熟練の子育て経験者や助産師が与えてくれる安心感」でした。
「大丈夫だよ」という言葉自体は簡単に伝えることができますが、伝える人によって説得力が変わってきます。育児初心者ましてや妊娠・出産の大変さを知らない男性の自分では、妻を安心させることができませんでした。
現状とこれから
産後2ヶ月を経ったくらいから妻は大分回復してきました(骨盤の歪みや筋肉の衰えは残るとのこと)。3ヶ月近く経った今では家族で散歩に出たりと、外に出歩く元気が戻ってきたように感じます。
外部サポートについては、助産師の訪問看護は期間限定のため、もうすぐ終了予定。産後ドゥーラは引き続き利用しますが、利用頻度を減らし、少しずつ家族全体で自立を図ろうと思っています。
この記事を書いた理由
自分たちの大変だった日々を残すために書きました。似たような境遇の人たちや出産・子育てを予定している人の参考になれば幸いです。
サポートしてくださった保健師の話によると、コロナ禍もあり私たちのように外部サポートを利用する家庭が増えている そうです。ご家族の健康が第一なので積極的に利用してほしいとも言っていました。
ふりかえって
コロナ禍で外に助けを求めにくい状況で、里帰りもせずに夫婦ふたりだけで育てる。おまけに子育て未経験。無謀だったと思います。「この生活をワンオペでやっている母親は本当にすごい。自分にはできない」と妻は何度も言っています。自分もそう思います。
(妻自身が言うくらいには)安産だったこともあり、出産直後はテンションが高く、その後に待ち構えている産褥期に二人とも心の準備が出来ていませんでした。二人で振り返るとそういう話に落ち着きます。
理想は妻をマタニティ・ブルーズにさせないことなのですが...自力では対処しきれないので、出産前から産後ドゥーラとの関わりを作っておいて、産前から心身のケアの手立てを打っておけばよかったと思います。
核家族社会と育児ノイローゼ
君は年々200人の母親が子殺しをすることを知っているか。彼女たちは簡単に「育児ノイローゼ」といわれるが、実は核家族時代の犠牲なのだ。育児という重労働を、ひとりでいままでの家事のほかにやらなければならないのだから、女の一生でいちばん骨が折れる時代が。ことに初産の場合は毎日毎日が未経験のことばかりだ。
以前の大家族の時代には、古い世代がそばにいてくれた。いまは若い母親ひとりでせおわねばならぬ。父親が手伝わなかったら母親はせおいきれない。子殺しをした母親のおおくが、育児に協力しない夫をもっていた。
出典:定本 育児の百科 (上) 5カ月まで (岩波文庫)
育児休業を取っていなかったら...と、もしものことを考えてしまう一文でした。
核家族社会になった経緯やその解決はさておき、今の時代の中でどうにか生きていかないといけない。 身内、外部関係なく、使えるものはどんどん使っていきたい。